オーストラリアに行きさえすれば、英語が話せるようになると思いますか?
何となく学校に通い、何となく日々を過ごすだけでは、まったくと言っていいほど英語は身につきません…。
でも、さすがに1年くらい住めば・・・と思いますか?
残念ながら、現実はNoです。たとえ1年もの間オーストラリアにいたとしても、その生活の仕方によっては、英語はまったく習得できません。実際、10年以上オーストラリアに住んでいても、まだ英語が苦手という人もいます。
それはなぜか?
実は、オーストラリアでは 「英語がそんなに話せなくても、なんとか生活していけるから」 です。
スーパーなどでの買い物は、お金の支払い方が分かれば基本的に困りません。バスの乗り方も1度覚えてしまえば、簡単です。レストランの注文も決まったフレーズでのりきれます。銀行口座も開設してしまえば、あとはATMで何とかなってしまいます (最近は窓口も日本語担当者がいるところもあります)。
「ただ、生活する」 だけでは、英語はそんなに必要がないんです。
日本人の友達だけと、日本のビデオを借りて、日本の音楽を聞いて、日本食レストランで食事をして、遊びは日本のカラオケをして・・・。そんな生活もできちゃいます。
それでは、わざわざオーストラリアに来た意味がありません。
もちろん、気分転換は大切ですので、たまには日本人の友達とカラオケを楽しんだり、日本食レストランに行ったり、日本のビデオを観るのも良いと思います。英語学習は楽しいけれど、壁にぶちあたりストレスがたまることもあるからです。私(Aya)も、勉強で煮詰まったりストレスが溜まると、日本人の友達と一緒
にカフェに行き、日本語で話しまくったりもしました。
でも、ポイント3(友達をつくる) にも書きましたが、「いつも」 「日本語だけを話す人」 といるのは、英語習得の面でおすすめしません。
自分で、意識して英語環境を作ることが必要になります。オーストラリアだからと言って、完全な英語環境だとは限らないのです。
ここでいう英語環境とは「英語に触れている時間が、母国語に触れている時間より長い環境」のことを指しています。たまに日本語を使うのは構いません。ただ、英語を使う時間が多くなるように、意識をしてオーストラリアでは過ごしてほしいのです。
こういった環境に積極的に身をおき、学校へ通ったり、自主学習を行ったり、英語で話せる友達をつくったり、遊びも楽しんだりすることが英語を習得するためには理想です。
「では、日本人がいない学校や街に行きたい」 という方もいますが、最近のオーストラリアでそういった都市を見つけるのは難しいと考えて良いと思います。とても小さな田舎町に行けば日本人のいる確率は低くなりますが、そこには英語学校が無かったり、交通の便が悪かったり、差別があったり、何かしら日本人が住みにくい理由があると考えられます。
英語習得のためには、英語が伸びない理由を 「周りの環境」 のせいにするのではなく、自分で英語の環境づくりをしていきましょう。こういった地道な努力と英語環境に対する意識は、かならず英語習得の結果として効果がでます!
「今日は英語を話す機会が少なかったなぁ〜」 と思ったら、翌日は意識して英語を使ってみましょう。
私(Aya)が実行した方法には、「英語を話す友達と会う」 「日本人同士でも英語タイムをもうける」などがありますが、この他にも1人ですぐできる英語環境づくりがあります。
それは、本当は知っていることを 「わざわざ」 英語で聞いてみる方法です。
例えば、スーパーで 「本当は置き場所を知っていてもわざわざ “牛乳はどこですか?” とお店の人に聞いてみる」、コーヒーショップで 「本当は “ラテ” がどんな飲み物か知っていてもわざわざ注文の前に聞いてみる」、道で 「本当は知っている道順をわざわざ誰かに聞いてみる」、洋服屋さんで 「本当は他の色やサイズがないことを知っていてもわざわざ店員さんに聞いてみる」、などです。
必殺わざわざ方法です。このようにお店や道で人に 「本当は知っていること」 を聞く方法は、バス停などで知らない人と世間話をするために声をかけるよりも、比較的実行しやすいと思います。
やはり、知らない人にいきなり声をかけるのは勇気がいりますし、ただの雑談となると会話での難易度も高くなって困ってしまう可能性があります (話が続かない!次は何を話そう? など)。
また、最初は上手く通じなかったとしても、同じことを何度も違う場所で試すうちに、相手に伝わりやすくなっていきます。反復は、英語習得に必須ポイントのひとつです。
また、事前に相手の答えを知っているのでどんな英語 (表現) を使っているのかも注意して聞くことができます。
本当に道に迷っているときは、行きかたを聞きとるのに精一杯で言い回し (英語表現) まで気がまわりませんが、 「まっすぐ行って、3つめの信号を右」 と言われるであろう答えを知っていると、「3つめの〜」 という表現はこう言うんだ!と勉強になったりします。
英語環境は自分でつくるものです。ただ、オーストラリアに行くだけでは英語環境にはなりません。
そして、たとえ周りに日本人が多くても、ひとりでいても、英語環境は自分でつくれることを忘れないでいて下さい。